皆さんこんにちは。サイト管理人のやっぴーです。
本日は待望のSensah/SenTyeh(以下Sentyeh)の電動コンポに関する記事です。多分、ここまで書いてある記事は世界で初だと思います。
これまでShangHai Bike Show 2025,2026やTaipei Cycleなどで展示されてきたSenTyehの電動コンポ。情報がかなり断片的で記事を書くことは難しかった。
というのも、これまでSenTyehはコンポについて自社サイトで一切情報を公開してこなかったから。
そんなSentyehの電動コンポだが、ついに発売の日の目が見えてきた。
なお、本記事で扱う商品は発売前で実物を伴わない記事であることから、仕様が変更になったり誤情報が含まれている可能性がある。細心の注意を払ってはいるが、留意して読んで欲しい。
目次
- Sentyehとは?これまで出ていた情報は?
- Sentyeh ECS の詳細な概要
- シフター・デュアルコントロールレバー
- リアディレイラー
- クランクセット
- ブレーキ
- チェーン
- スプロケット
- バッテリー
- サポートについて
- GDPR法とは?
- 研究成果
- おわりに
Sentyehとは?これまで出ていた情報は?
广东顺德顺泰智能运动器材有限公司(Sensah Smart Sports Equipment)は、自転車用品を販売する会社。元々SRAM Chinaの深圳工場で働いていたエンジニアである钱海泽が工場の移転を機にSensah Smart Sports Equipmentとして独立した企業である。(ちなみに、L-TWOO,S-Rideも同様の経緯で独立した企業。L-TWOOの社長の刘春生はSRAM ChinaのR&D部門総責任者、钱海泽は一エンジニアの関係。)
情報を担当者がXで定期的に小出しにしていたものの電動コンポはこれまでリリースしておらず、L-TWOOやWheelTopなどに遅れを取っているように見えた。しかし、ChinaCycle 2025で非稼働モックアップと情報を、ChinaCycle 2026でついに稼働する実物を公開。
そこで出た情報は、
・バッテリー着脱式完全無線電動変速
・基本はフロントシングル、フロントダブル構成は後からリリース
・RDのキャパシティは最大46T、偏心ビッグプーリーをデフォルトで採用
・RD,Shifter以外のクランクやチェーンリング、ディスクブレーキなども発売する「グループセット」
・14sに対応、アプリで段数変更可能、14sスプロケットの歯数は10-46t、11-46t
・シフターはSRAM RED AXSと似た形状
・今年(2026年)に入ってからは特許も取得する
・内装メモリを持ち、一度設定すればアプリと接続しなくとも変速位置などを記憶
と、結構先進的。
Sentyeh ECS の詳細な概要
以下の画像を見てほしい。まだ正式発表前なので直リンク・特定可能な型番を直接を貼ることは控える。2026年6月23日、中国のブランドTwitterBikeのインスタグラムにてSentyeh ECS proを使用した完成車がお披露目されました。従って、本稿でも黒塗りを取り払った画像を公開します。(2026/06/24)
なお、TwitterBike様へは X @k9bikes 様が便利です。良心的な値段でいいスペックをもつロードバイクを販売している方です。




以上が、Sentyeh ECSのグループセットの構成。
それでは詳細スペックに迫っていく。
シフター・デュアルコントロールレバー




ざっくりと言えば、
・事前情報通り中華電動コンポではL-TWOO eTXに次ぐフルワイヤレス・バッテリー着脱式電動変速
・SRAM AXS e1を意識した高い支点位置を持つ形状による強力だと予想されるブレーキ感覚
・ボーナスボタン(スプリンタースイッチ)が(恐らくブレーキレバー付け根に)存在し、アプリによってカスタマイズ可能な操作系
・システム内のデバイスとの接続は2.4GHz帯を使用する独自の通信規格、BlueToothLEを併用
一方で….
・レバーは左右併せて500g近い。重い。SRAM Rival AXS e1の重量が左右併せて438g。
・「独自のクランプシステム」が何を指しているのか不明。Ribble ULTRA barのような特殊なハンドルでは使用できない可能性がある。
リアディレイラー
ロングケージバージョン



ショートケージ


Sentyeh ECSのRDには二種類がある。一つは最大46Tのロングケージバージョン。もう一つは最大34T(限界36T?)のショートケージ。ロングケージverはフレームにUDH対応があれば14s、なければ13s。ショートケージverはUDH対応の有無を問わず12sまで。ロングケージとショートケージ、UDH対応の有無で変速段数が異なるため注意が必要。スペック表の3sは誤表記かなと思う。後述。また、それぞれのRDスペックシートの画像にある「ハンガーの互換性」欄にある「直接取り付け」「Direct Mount(Standard)」は、Shimano DirectMount Hangerシステムを指していると思われる。というのもSRAM DirectMount、つまりT-typeのようなものかと迷ったが、T-typeのように両面で挟み込むような形状をしていないようにみえる。(画像緑枠部)


従って、Shimano DirectMount Hangerシステムと判断した。Standardに関しては何を指しているか不明。これまでのRD取り付け方式のことを述べている?
クランクセット




クランクセットは特にいうことがない()
カーボンとアルミの二種類があって、重量は表のとおり。BB規格はDUB規格。取り付け方法も外観もSRAMを意識してる が、クランク長が微妙かなあ。バリエーションが少ない印象。ネガ。まあでも社外品のものを取り付ければいいかなという印象。
ブレーキ


ロータークリアランスは2.4mmを確保。形状的にはクランクと同様にE1 AXSシリーズを意識した肉抜きがされている。使用するオイルはミネラルオイルでDOTフルードは対応しない。おそらくこれやシマノ互換のミネラルオイルに対応するのだろう。
チェーン


チェーンは専用のものを用意。色は異なるものの、チェーンにあるSTの表記から同一のものと判断。
スプロケット



スプロケットはShimanoHGフリーハブに合うように作られている。
最大歯数は46Tとされている点はこれまで出てきた情報通りだが、最小歯数については10Tとする意見もある。13sについてはオールスチール製で肉抜きされていても耐久性と重量的に不安。
14sはアルミ+スチールだけど。
バッテリー


着脱式のバッテリーはUSB-TypeC 急速充電を採用し、容量は725mAh。SRAM eTap の純正バッテリーは300mAhなので、実に2倍以上のバッテリー容量を確保している。SRAMの場合、フロントダブル構成が多いこともあり前後でバッテリーを共用している場合も多い。その場合前後で交換ができるため容量が少なくても済むがフロントシングルではそうはいかない。そのための大容量なのだろう。
サポートについて
この記事を書いていて思ったのが、中華ロードバイクパーツにしてはユーザビリティ・ブランド性・アクセシビリティが卓越していること。
例えば、Sentyeh ECS ロングケージRDにおいて14s運用(下記画像左の14sシステムを指す)する場合、前提としてShimano HG規格フリーハブのホイールを使用していること・UDH対応フレームであること・14専用ディレイラーハンガー(RDに付属?)チェーンステーが410mm以上であることが要求される。また13sでの要求はそれらのうちHG規格であることとチェーンステーのみ。


このような情報を一元的にUserHubという形でまとめていた。これらは、L-TWOO、WheelTopなどには無かった。あって当たり前かと思ったり無くてもいけるだろみたいな意見もあるかもしれないが、あるとないとは違う。他にも、保証やRDの文鎮化への対応など、“見えない部分”に気を遣っているのがこれまでの中華電動コンポとは違う、”弱点”を潰しに来ていると思った。(正式発表後、直リンクで飛べるようにします。)それは個人情報の取り扱いまで及ぶ。これまでL-TWOOなどの電動コンポは個人情報などの取り扱いが不明確だった。Sentyeh ECSは個人情報についてEUのGDPR法に準拠していると規約にて主張している。

GDPR法とは?
GDPR法とはGeneral Data Protection Regulation:一般データ保護規則のこと。GDPR法は企業の大小を問わず、「コンプライアンス違反」という失態に高額の罰金を科す。これによって法令遵守の意識を高めることが目的で、2021年に施行されてから多数の企業がこれに違反し、多額の賠償金を支払ってきた。そのGDPR法は、違反した場合に最大で2,000万ユーロ(26億円)または全世界年間売上高の4%のいずれか高い方というとんでもなく重い罰金が課される。例えば、Amazon(Amazon Europe Core S.a.r.l.)は746,000,000ユーロの罰金を払っており、これは日本円にして1000億円以上にもなる。
特に規約のような同意文書に対する違反は、最も重い違反の一つとされていて、正に先ほど述べた「最大で2,000万ユーロまたは全世界年間売上高の4%のいずれか高い方」に該当する。はっきり言って日本の個人情報保護法とは比べものにならないほど厳しい。
このような国際的にみて非常に重い罰則規定をもつ条文に準拠して規約文書を作るということは、Sentyeh ECSの透明性をアピールし、更に世界的な展開も早い段階で考えていると思われる。
中国のカーボンホイール・フレームが積極的に日本で展開を進めているのは、日本のサイクリストが世界で最も品質にうるさく、”日本人お墨付き”の箔を得るためと言われている。同様に、世界で最も規約にて厳しいEUの法律に準拠して規約文書を書くということは、コンプライアンスについて”私たちの製品と企業は世界で最も厳しいEUに認められていますよ”の箔を得たいのだろう。
研究成果
さっき利用規約に出てきた広州京図科技有限公司とはどんな会社だろうか?
正確には广州鲸途科技有限公司。翻訳の都合でこうなってしまっている。
実は广东顺德顺泰智能运动器材有限公司は、2025年1月18日に广州鲸途科技有限公司に出資した。
持ち株比率は40.012%。ここでなんで广州鲸途科技有限公司が出てくるのかというと、単なる投資ではなくSentyehの電動コンポに関係があるからに他ならない。以下の画像を見てほしい。

これはとある中国のサイトから入手したSentyeh ECSを管理するためのアプリの概要である。
广州鲸途科技有限公司の表記があちこちにある。
個人的推測だが、これはIIIPRO・SUNSHINE・SUMCと合同で設立した会社で、かつ対外窓口を兼ねている会社であると考えている。これはまたおいおい書けたらと思う。
おわりに
個人的にはSentyeh ECSには非常に期待している。開発に5年もかけているというし、頑張ってほしい。これまでなかった所まで気を配っている中華電動コンポだと思うし、技術的先進性も申し分ない。
日本での展開も予定されているらしいので気長に待ちたいところ。実際に買えるようになったらレビューしたいな。
もう一つ気になったのは、もし本当にIIIPRO・SUNSHINE・SUMCと合同で設立した会社でSentyeh ECSを管理するなら、私が過去にした
というツイートがとてもしっくりくるな、と思った。
この記事(というか駄文で)一人でも多くの人が中華製品に興味を持ってくれたらうれしいです。(あとシマノさんへのケツ叩き)
最後に、本記事を執筆するにあたって画像の使用に許可をくださったAveloBicycleTokyo様には厚く御礼申し上げます。
AveloBicycleTokyo様
公式サイト:https://www.avelotokyo.com/
所在地:〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂4-7-6 メゾン鹿島台101
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